「ねぇねぇこれ見て!」娘がスマホの画面に私たちをおさめると、なんだか変…?!それもそのはず、私と娘の顔だけが、入れ替わっていたのです!
親子だから、それなりにしっくりきちゃうんだよね笑
思えばこれが、一種のディープフェイクとの出会いでした。
ディープフェイクという言葉から、何だかちょっと悪の匂いを感じるのは私だけでしょうか?
町には、若者が顔を寄せ合ってスマホの画面をのぞき、笑い転げている平和な光景があふれています。
ディープフェイクアプリの登場によって、あちこちで手軽に画像の合成がなされ、SNSで発信され続けています。
その一方で、誰かを傷つけるリスクをはらんでいるのがディープフェイクアプリ。
ディープフェイクアプリの紹介と、安全な楽しみ方をお伝えします。
ディープフェイクアプリって何?画像合成が簡単に!
ディープフェイクとは、人工知能(AI)を使った、画像合成の技術のこと。
この技術によって、顔を入れ替えることが可能になります。
静止画だけでなく動画にも合成できます。動画の場合は、ある人物の映像と音声を別人の動画に合成することで、実在しない様々な表現を生み出します。
ディープラーニング(深層学習)
+
フェイク(偽物)
すなわち、ディープフェイク
難しいことは良いから、早く見せて
ディープフェイク動画の作り方
高度なレベルを求めなければ、誰でもアプリを使って、あっという間にディープフェイク動画の作成をすることができます。
AIの仕組みを理解する必要は全然ないんだね
PCだけではなく、スマホのアプリでもディープフェイクの作成ができる時代になりました。
作り方はいたって簡単。
アプリからカメラを起動し、写真を撮ります。そのデータと、アプリ内に用意されたテンプレートを選択するだけ。
テンプレートの他、あなたが撮った動画を選ぶことができるアプリもあり、何通りもの組み合わせができます。
ディープフェイクアプリAndroidのおすすめ
ディープフェイクを楽しむことができるアプリには、スマホに対応しているものも、PCで使われるものもあります。
スマホの中では、Android対応のアプリ、iPhone対応のアプリ、AndroidとiPhoneの双方に対応のものも。
まずは、Android対応のアプリを紹介します。
ディープフェイクアプリiPhoneのおすすめ
次に、iPhone対応のディープフェイクアプリを紹介しますね。
AndroidとiPhoneともに対応
調べる中で、ほとんどのアプリに、同じ名前の類似アプリがあることを知りました。これらは評価が低く、ダウンロード数も非常に少ないです。
クオリティの高い本物のアプリはAndroid、iPhoneどちらか一方にしか対応していないのに、同名で、別媒体に対応していたりするのです。
本家本元のアプリかどうか、しっかり見極めてください
ディープフェイクアプリPCのおすすめ
ここからはPCで使用できるディープフェイクアプリを紹介していきますね。
ディープフェイクアプリの注意点
ほとんどのディープフェイクアプリは無料でダウンロードできますが、アプリ内課金があります。
無料版以上の機能はもちろん魅力的ですが、できれば無料で楽しみたいですよね。
ここでディープフェイクを利用する上での注意点をあげておきます。
注意点①課金の案内が表示されても、画面端にある✕ボタンを見落とさないで。広告動画を見たり一定時間待つと、無料で使用を続けられます。
えっ、✕ボタン?どこ?!課金するとこだった汗
注意点②初めは無料でも、一定の期間内に解約しないと、自動的に課金されるディープフェイクアプリがあります。
たとえばAvatarifyは、無料トライアルの7日間が過ぎると、自動的に年間プランの料金が発生するシステムです。
注意点③課金する場合は、退会方法について確認してから。
日本語対応していないアプリもあるので、時間がかかっても、確認は慎重に
ディープフェイクアプリは安全に!犯罪になるリスク
ディープフェイクの技術は、いつからあるのでしょうか?
2017年、本人の許可なく合成されたポルノ動画が、インターネット上にさらされるという形で、ディープフェイクが世に知られるようになりました。
こんな形で有名になりたくなかったのですが…
アメリカの多くの女優の画像が、違法に傷つけられました。
当初は、偽物だと見破ることができましたが、本物と区別がつきにくくなるなど、技術が進化しています。
日本のアイドルグループもターゲットにされたんだって
政治の世界でも、ディープフェイクが悪用されているのを知っていますか?
批判したい政治家の顔を、アドルフ・ヒトラーの顔に差し替えたり。有名な政治家に、事実と異なることをしゃべらせたり。
2018年4月、ディープフェイクの危険性を発信するため、映画監督のジョーダン・ピールがオバマ前大統領の動画を作成しました。
オバマ前大統領が、「トランプ大統領は救いようのないマヌケだ」と発言しています。
タネ明かしをされても、本当にオバマさんがしゃべっているようにしか見えない
事実かどうかが検証される前に、ニセ動画が拡散してしまい、訂正が追いつかないのが現状です。
2019年に放送された日曜ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」でも、高校生がフェイク動画を作り、インターネット上に流していましたね。
何もしていないのに、濡れ衣を着せられたり、いわれのない中傷を受けるシーンは忘れられません。
自分が濡れ衣を着せられたら?と思うと、背筋が寒くなった
ディープフェイクアプリを使い、他人の顔を使い本人に許可なくネットにアップロードすることは、違法行為です。
本人が言っていないことを合成によって言わせたり、本人の主義や主張をねじ曲げて発信することも、違法です。
多くの有名人が被害にあっており、著作権違反にもあたります。
どんな犯罪行為にあたるの?
ディープフェイク動画を動画サイトやSNSで公開した罪で、日本では2020年に数名の逮捕者が出ています。
いったい、どのような罪に問われるのでしょうか?
社会的評価を低下させる具体的な事実を、不特定又は多数の人が認識できる状況で示した場合に該当する犯罪です。
フェイクポルノなどに使用された人の社会的信用は落ちてしまいますから。
- 3年以下の懲役もしくは禁錮
- 50万円以下の罰金
フェイクポルノにはベースとなるポルノ動画が必要ですが、その動画の著作権をもった制作会社がある場合、著作権法違反に該当する可能性あり。
- 10年以下の懲役or1,000万円以下の罰金orその両方
- 5年以下の懲役or500万円以下の罰金orその両方
この罪に関しては、フェイクかどうかは関係ありません。
ポルノ動画を不特定又は多数の人が目にする可能性がある場所で公開すれば、わいせつ物頒布等罪で罰せられます。
- 2年以下の懲役or250万円以下の罰金or科料又は懲役と罰金の両方(科料とは、1000円以上1万円未満の財産刑)
ディープフェイクの作成には、元になる動画や、入れ替える顔の画像が必要になります。
肖像権とは、プライバシーを守るため、すべての人に認められている権利です。
肖像権侵害には刑事罰はありません。しかし、多額の慰謝料を請求されることがあります。
知らず知らず、あなたが罪をおかす危険とともに、自分がターゲットにされる危険があることを忘れないで
セキュリティ面に問題のあるアプリを使うと、自分や周囲の個人情報が外部にもれてしまいます。
周りに信用されなくなったり、人が離れていったら悲しい。安全に情報を扱わなくちゃだね。
日本製でも、どんなに人気のあるアプリでも、使う前には必ず規約に目を通しましょう。評価もチェックして、安全性について情報収集をぬかりなく。
私たちのデータにしつこくアクセスしようとするアプリは、安全ではない可能性が高いです。警戒するポイントですね。
問題があるアプリは、利用前に「Facebook(Twitter)でログイン」画面が表示、さまざまなデータへのアクセス許可を求めてきますよ。
アメリカ連邦捜査局(FBI)も、警鐘を鳴らしているほどです
まとめ
- ディープフェイクは、AIを使った、画像合成技術である
- アプリをインストールすれば、スマホ、パソコンなど様々な媒体で簡単に作成ができる
- ディープフェイクアプリをインストールする前に、規約や課金についての確認はマスト
- 情報漏えいやモラルのない使い方はせず、加害者にも被害者にもならないように気をつけよう
ディープフェイクアプリのおもしろさと、危険性、両方をみてきましたが、いかがでしたか?
ディープフェイクアプリをインストールするリスクは、その楽しみを上回ると言う人もいます。多くの犯罪に使用されている事実から、危険があるのは明らかです。
あなたが怖がって避けていても、世の中のディープフェイクアプリはなくならず、出回るディープフェイク動画はますます増えてくるでしょう。
正しい情報かどうか、判断する力を身につけたいものです。そして、仲良しの誰かとあなたが、ディープフェイクアプリを個人的に、安全に楽しめますように。
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